三月一日は俳人の父廣瀬直人の命日、亡くなって八年になります。俳句では〇〇忌と言って故人を偲んで忌日の句を詠み、それが季語になります。直人忌は春、芭蕉忌は現在の十一月なので冬です。俳句は、季節への、土地への、人への挨拶という考え方があり、忌日の句はまさに亡くなった人への挨拶です。
直人が生涯を暮らした山梨県笛吹市一宮町の実家には、百年以上を経た黒松がどっしりと幹をうねらせて立っています。その襞は深く刻まれています。掌(てのひら)をあててその鼓動を感じます。
昨日は、山梨県立文学館で、私が所属する俳句結社「郭公」の俳句会が開かれました。三月の青空と山々が、全国から集まった俳友を歓迎しました。
生き生きと三月生まる雲の奥 飯田龍太
この〈三月生まる雲の奥〉は、この季節の山梨に来て、甲府盆地とアルプスの山々を見て、感じて、初めてわかるものなのです。それが風土です。
皆さま、来年もまたここでお会いしましょう。それまでどうぞお元気で。ご機嫌よう。



