こういう句は、桃作りを実際にした人にしか創れないでしょう。
直人は、桃も、葡萄も、俳句も、作っていました。(笑)
この句には、桃の匂いと、このころのむんむんとする梅雨の季節感が満ちています。
「葉叢の吐息」は、桃を捥ぐ人や、桃そのものの吐息でしょうか。
「わかるけ?」
「わかるさ。俺だって、子供のころ桃捥ぎを手伝ったじゃんか」
「ほうか、都会の人にはわからんら」
「わからんでもいいじゃんか。わかる人にわかればいい」
最近の俳句にはあまり見られない、風土が横溢した、土臭い、俳句です。
日本一の一宮の桃「日川白桃(ひかわはくとう」です。
「あんまり甘くないさ。味が薄くてさ。未だ未だだってお母ちゃんが言ってるさ」
と、桃作りを引く継いだ友だちが言うので、食べてみました。
「何言ってるで、甘いじゃんか。水分もたっぶりで固くてみずみずしい。本物だなあ」
皆さん、山梨はこれから桃の本格的な季節を迎えます。
どうぞ、ここに来なければわからない空気と、本物を味わいに山梨へお出かけください。