2024.06.20 今日の俳句と季語 <象潟や雨に西施がねぶの花> 松尾芭蕉 こういう句を見ていると、現代俳句は芭蕉の手のひらの内にある。と思ってしまう。 当時の象潟は海で松林の島が幾つも点在する景色であった。 眼前の「ねぶのはな」(合歓の花)、その向こうに広がる象潟の風景。 そこから、芭蕉は、中国の四大美女と呼ばれる春秋時代の西施に思いを馳せた。 時空を超越して、十七文字の宇宙を感じる俳句であり、読み手の想像力が試されている俳句である。 日野の月見ヶ丘の雑木林に自生する合歓の木が、今年も花を咲かせている。