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2024.05.12

今日の季語と俳句「青梅」夏 <遠縁といふ男来て梅落とす> 廣瀬直人

「青梅」は熟す前の青い実のこと。青梅が目立ち始めるのは初夏である。

 

遠縁といふ男来て梅落とす 廣瀬直人 句集『遍照』所収

 

見かけたことのない男が家にやって来て、勝手に庭に入り込んで、梅の木を見上げている。

「この梅の木は先々代の豊平さんが植えた甲州野梅だね。立派になったもんだなあ」

「誰でえ」

「南の家の庄司さんの兄の銀平さんの長男の息子の・・・まあ、親戚さあ。遠縁だけんどね。ちょうどいい塩梅だ。ちっとばっかし、捥がせてくりょう」

「ほうけ、ほんじゃあ、たくさん捥いでけし」

大らかなものである。

血縁、地縁など、昔は人との関りが濃密であった。

 

先日、弟がこの梅の二代目の木が実らせた梅を捥いで行った。

「兄貴、下の枝の梅が捥がれていたみたいだぞ。誰かが取っていったのかもしれん」

「親父が捥ぎに来たんじゃないのか。この梅の塩漬けはカリカリで絶品だからな」

 

甲州小梅床の間の日本刀 廣瀬悦哉 『夏の峰』所収 平成二十九年作

 

 

 

 

 

 

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